Skype数学勉強会 確率論セミナー の予習メモ
読んでいる本(現在はサブテキスト): はじめての確率論 測度から確率へ : 佐藤 坦 : 本 : Amazon
読んだ範囲: 10~15ページ
予習ノートは書いたのでその補足的なメモ。
- 補題2.4の証明の流れ:
- を示すのに、 と を両方示す。
- の方がやりやすくて、 はボレル集合体、つまり開部分集合全体を含む -集合体なので、 の全ての元が開部分集合の可算積でかけることを示せばいい(★1)。
- の方が大変で、 に開部分集合が全て入っているといえればいいけど直接は難しい。
そこで補題15.2、つまり全ての空でない開集合が の元の可算和でかけることをつかう。- の全ての元は の元の可算和でかける(★2)。
- は -集合体なので の全ての元は の元。
- は -集合体なので の元の可算和も の元。よって、開部分集合は全て の元。
- はその定義より開部分集合全体を含む最小の -集合体なので 。
- 補題2.4の補足:
- ★1 と ★2 の証明で、以下を踏まえておかないといけない。
- 積集合と直積は交換する:
- 和集合と直積は一般には交換しない:
- であれば和集合と直積は交換する:
- ★1 において、「 の全ての元が開部分集合の可算積でかける」というのに以下の等式をつかう。
この積集合と直積は交換するので、結局以下を示せばよい。
- (左辺)⊂(右辺)の証明:
任意の に対して なので 。 - (右辺)⊂(左辺)の証明:
を右辺の元とすると、。
いま、 なる があるとする。
このとき、十分大きな をとれば とできる。
この は の元ではないので右辺の元であることに矛盾。よって 。
任意の右辺の元 について なので、右辺の元ならば左辺の元。
- (左辺)⊂(右辺)の証明:
- ★2 において、「 の全ての元は の元の可算和でかける」というのに以下の等式をつかう。
この和集合と直積は交換するので、結局以下を示せばよい。
- (右辺)⊂(左辺)の証明:
任意の に対して なので 。 - (左辺)⊂(右辺)の証明:
を任意の左辺の元とすると、。 なので、十分大きな をとれば とできる。
よって は の元なので、右辺の元。
- (右辺)⊂(左辺)の証明:
- ★1 と ★2 の証明で、以下を踏まえておかないといけない。
- 集合の lim sup と lim inf の補足:
どんな の集合か | が「コインを無限回投げて 回目に表が出る事象」のとき | |
---|---|---|
である の少なくともどれか1つに属する の集合。 | n回目以降少なくとも1回表が出るという事象。 | |
である のすべてに属する の集合。 | n回目以降ずっと表が出るという事象。 | |
任意の に対して である の少なくともどれか1つに属する の集合 = となる が無限個あるような の集合。 | どの回数から先も表が出るという事象 = 無限回表が出るという事象。 | |
ある に対して である のすべてに属する の集合 = となる が有限個しかないような の集合。 | ある回数以降ずっと表が出るという事象 = 裏が有限回しか出ないという事象。 |