以下の本の5章を読みます。キャラクターは架空のものです。私の誤りは私に帰属します。お気付きの点がありましたらコメントでご指摘いただけますと幸いです。

- 作者:Hamilton, James D.
- 発売日: 1994/01/11
- メディア: ハードカバー


それで、「最尤推定をするためにはホワイトノイズ の分布の形を特定しなければならない」? なぜですか?

例えば AR(1) 過程 のある1ステップだけの観測値
が手に入ったとき、尤度関数
ってどうなる? 過程は定常とするよ。

だけ観測したとき、ですか。パラメータがある
だったときにその
がどれくらい観測されやすいのかを考えなければなりませんね。うーん…そもそも定常 AR(1) 過程には期待値があったはずです。パラメータが
であるような定常 AR(1) 過程の期待値
を計算して、
がその期待値に近ければその
の尤度は大きいでしょうし、期待値から遠ければその
の尤度は小さいのではないかと思います。定常 AR(1) 過程の期待値を復習します。AR(1) 過程の式の両辺の期待値をとります。

期待値と分散だけで分布の形って決まる?

! き、決まりませんでした…。で、では、歪度や尖度も求めれば…。

きりがないな…というか、定常(弱定常)って歪度や尖度まで一定とはいっていないからね。そもそもそのやり方で求まらないよ。

なんと…詰みました…。




と
は独立じゃないからね…
が
に依存しているからこそ AR(自己回帰)過程なんだけど…。

! す、すみません…AR(1) 過程は ですから、
ですね。
はこれにしたがって生成されなければなりません。これは、
が観測されている下では、
にホワイトノイズ
を足したものですから、

うん。さらに連続する3ステップ を観測したときはこうなるね。

おお、AR(1) 過程の尤度関数はこれで求まりましたね。…ん? 119ページからは AR(1) 過程の尤度関数を求める別の方法が紹介されていますね? と定義するようです。このようなベクトルを定義してどうするんでしょうか…。


いやいやいや、 が降って湧いていますよね?
が成り立つことは検算して確かめよというようにありますが、この
はどうやって考えついたものなんです?


なるほど? それで、122ページは実際に対数尤度関数の最大点を求める方法ですね。あれ? 対数尤度関数そのものではなくて、 が所与の場合の対数尤度関数を最大化しているんですね?

その場合は最小2乗法をかき下せるからね。長い系列を観測している場合、最初の観測値の影響は無視できるし。