以下の本を読みます。キャラクターは架空のものです。解釈の誤りは筆者に帰属します。お気付きの点がありましたらコメント等でご指摘いただけますと幸いです。

- 作者: 渡辺澄夫
- 出版社/メーカー: コロナ社
- 発売日: 2012/03/01
- メディア: 単行本
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4章の章末問題【2】は、「確率モデルに対して真の分布が正則であるときには かつ
であることを示せ」ですか。…
と
って何ですか?

103ページの定義17だね。



の密度
が知りたいんですか。しかし、それと
と
がどう関係あるんです?

うん、 の密度が知りたいんだけど、(
が大きいとき)事後分布が一番濃くなる点は
だから、
をゼロに近づけたときに一番ゼロに近づくのが遅い成分だけわかればじゅうぶんなんだよね。

いや、「一番ゼロに近づくのが遅い成分だけでじゅうぶん」とか譲歩した感じ出されてもわからないですからね。だいたい などという得体の知れない形式の関数を、ゼロに近づく速さごとに分ける方法なんてあるんですか?

ある。この に「メリン変換」という変換をして複素関数
にすると、
のそれぞれの極の位置と位数がゼロに近づく速さに対応する。

メリン変換? フーリエ変換なら聞いたことがありますが…。


メリン変換からそんなことがわかるんですか…。

はメリン変換すると
になる。いまパラメータの取りうる範囲は
の超立方体としている。
をこの超立方体で積分するとどうなるだろう。

えっと、 なので成分ごとに積分すればいいですね。となると結局、
になるのではないでしょうか。

じゃあ、その実部が最小の極はどの点で、その点での位数はいくつになる?

えっ? まず、この複素関数が定義されない点は分母がゼロになる ですね。だから実部が最小の極の位置は
の最小値(実軸上)ですよね。そこでの位数は、
が最小値をとる
の個数ですね。

それは実対数閾値 とその多重度
そのものだね。

あっ…。

章末問題【2】に戻ろうか。確率モデルに対して真の分布が正則であるときの と
を考えるには、
の場合を考えれば十分だ。もちろん
はこの形をしているとは限らないけど、この定数倍で上と下から抑えられる。定数倍で上と下から抑えられるのに極の位置と位数が違ったらおかしなことになるからね。

まあでも「1本目の座標軸を変えずに、2本目の座標軸を1本目の座標軸からの比にすればよい」みたいなこと例14でやってるからね。2つ目以降の成分から無理やり1つ目の成分を絞りだしているようなものだよね。


まあ例14がまさに の例だけど
で
になってるしね。