ベイズ統計の理論と方法: ノート4章その1

以下の本を読みます。キャラクターは架空のものです。解釈の誤りは筆者に帰属します。おかしい点がありましたらコメント等でご指摘いただけますと幸いです。

ベイズ統計の理論と方法

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気付いたんですけど、今度この章を発表するので教科書の流れにかかわらず自分の流れでまとめようと考えていたんですが、まずは教科書を読む必要があるのではないでしょうか。

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当たり前だよね??

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なので改めて4章の最初から確認していくと、定義14の(位相)多様体の定義は一般的なものですよね。定義14の中ほどの2つの式は、2つの座標近傍の重なり U^\ast 内の点について、\phi_1 座標から \phi_2 座標にする写像と、その逆の写像ですね。これらが共に C^r 級なら \mathcal{M}C^r微分多様体というんですね。

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以前の記事(雑記: 1の分割の話)で私そう言ったよね…。

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さらに解析関数なら解析多様体とありますが、この言葉この後で出てきていますかね…。ときに副部長、この定義をみると、「このようなものをアトラス(座標近傍系)という。\mathcal{M}多様体という」という文章になっていると思うのですが、これでは「いつ」「何を」多様体というのか曖昧ではありませんか? 「そのハウスドルフ空間に何かアトラスが存在するとき、そのハウスドルフ空間多様体という」のですか? それとも「ハウスドルフ空間と特定のアトラスの組を多様体という」のですか? 例えば「位相空間」といったら、「集合とある特定の開集合系の組」ですよね? であれば後者ですか?

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松本本の42ページに、「 C^r多様体は、位相空間 M とその上の C^r 級座標近傍系 S で決まる。したがって  C^r多様体は正確には (M, S) とかくべきものである」とある。だから C^r微分多様体については明確に後者、「ハウスドルフ空間と特定のアトラスの組」だね。 C^r微分多様体ならアトラスは  C^r 級アトラスに固定しておかないとおかしい気はするし。他方、38ページの位相多様体の定義の方は前者のような記述にみえる。こちらは「何かアトラスが存在するとき、そのハウスドルフ空間多様体という」であって、特定のアトラスをくくりつけておくわけではないっぽい。ウィキペディアの「可微分多様体」の最後の方の記述も、「微分可能多様体は」アトラスを対にするということを支持しているようにみえる。単に「多様体」といったときは「局所局所に座標がかき込めるかどうか」が大事で、「微分多様体」といったときは「なめらかにうつり合う座標がかきこまれていること」が大事なんじゃないかな。

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「正確には (M, S) と書くべきものである」とか「明示すると分かりやすい」とか、最初からそう書いてくださいよといった感じなんですが…そのくらい定義から理解しろということなんでしょうか。手厳しいですね。例10 の多様体の例をみると、(1) は疑いないですね。(2) は松本本の 43 ページの例1にもありましたよね。「2次元球面」といっうのは3次元空間内の、中が空洞のビーチボールのビニールの部分ですよね。これは一つのチャートで被覆することはできず、松本本の例では「北半球」と「南半球」と、「アメリカ半球(?)」と「中国半球(?)」と、「太平洋半球(?)」と「アフリカ半球(?)」の上下左右前後の6枚のチャートで覆っていますね。地球上全体に座標をふるには「北半球」と「南半球」の2枚でよさそうなのに、随分効率が悪い気がしますが…。

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開集合の取り方を変えれば2枚のチャートでもいけるけど、その6枚なら、「北半球」にわりふる2次元座標を「3次元空間での座標から『地軸方向』を取ったもの」にできるからね。地表の点を地軸に垂直に地球を切断した断面の円盤に射影するだけでいい。それがその地点の座標。

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(3) は、これは何でしょう… d=2 でイメージすると、2次元上に何か関数 K(w) があって、 K(w)=0 を満たす領域(曲線でしょうね)があるとして、ただこの曲線上で  \nabla f(w) = 0 な点がないならばこの曲線は多様体であると…え、いや、f(w) って誰ですか??

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この本で Kf は平均誤差と対数尤度比として使用されているけどここではそういうわけではないよね…。この f は単に K の誤植と考えれば意味は通るね。そして、K を平均誤差と考えれば、W_0 は最適なパラメータの集合に他ならない。例10の (3) はだから、「最適なパラメータの集合が『結び目』のような取り扱いにくい点をもたなければ、最適なパラメータの集合には上手く座標が入れられる」っていっているね。

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結び目? って何ですか? そんなことかいてませんよ?

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K(w)=0 上で \nabla K(w)=0 となるような点がないなら  \{w \, | \, K(w)=0\}多様体だといっているよね。 じゃあ \nabla K(w)=0 となるような点があるってどういう状況だろう。と考えると、その点 w_0 からどの方向に(微小に)逃げても、「逃げた距離の1次に比例して K(w) が大きくなる」ような方向がないんだよね。例えば以下のページにある「結び目」なんかがそうなる。2次以上でしか逃げられない。

他に、K(w)=0 となる領域が広がりをもっている場合とかも \nabla K(w)=0 となるね。

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その絵は… 紛れもなく結び目ですね。

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例10の (3) は K=0 上に \nabla K(w)=0 な点があると嫌だよね、っていいたいんだと思う。

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なるほど…? 次のページも例が続きますね。例11は、これは何でしょう。直和?

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2本の紐がある。こちらの紐とあちらの紐で、座標がかけ合わせて1になる点どうしはくっつけることにする。そうすると2本の紐はぺったりくっついていき、輪っかになる。この輪っかはハウスドルフ空間になっている。ここで輪っか上の開集合とは、2本のひもにばらしたときそれぞれのひもの上で開集合になっているような集合ね。そして2本のひもはこの輪っかのアトラスになっている。多様体って先にハウスドルフ空間があってその上にアトラスを用意するイメージだったけど、例11ではアトラスから多様体をつくったんだね。例12も同じで2枚の紙から球面状の多様体をつくっている。以下の図みたいに。

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また絵が雑ですね…では、例13も同じように考えればいいのでしょうか。例13も「貼り合わせる」のは2枚の紙のようですね。それで貼り合わせ方は…え? 何ですかこれ?

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1枚目の紙の y 軸上のどの点も、2枚目の紙の x 軸上のどの点とも同一視されるんだよね。貼り合わせ方としてはこんな感じかな。

2枚の紙を貼り合わせた結果、1枚の紙になっていると思う。

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紙、伸び縮みしすぎですよね…? 本当に紙ですか? まあ例12でも伸び縮みしてましたが…。しかし、2枚の紙が1枚の紙になったんですか。例11や例12のように輪っかや球面ができたわけではないんですね。それ、何かうれしいんですか?

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貼り合わせた紙は、まあ紙なんだから普通に座標がかけるけど、普通の座標の他に U_1 って座標と U_2 って座標もかける。U_1 って座標は、貼り合わせた紙の原点の近くにぎゅっと座標が寄せ集められた、貼り合わせた紙からみればゆがんだ座標をしている。…ということは、もし貼り合わせた紙の上に「結び目」があったら、そこにしわくちゃにしぼられた座標をあてがって、座標のしわを広げれば結び目がほどけるかもしれない…っていいたいんじゃないかな?

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本当にそういいたいんですかね!?

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91ページからの 4.2 節では特異点解消定理が出てくるけど、92ページをみるとこのテキストで出てくる特異点解消定理では特異点がなくなるわけではないとあるね。「特異点が正規交差だけになる」とある。

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え、特異点がなくなるわけではないんですか? タイトル詐欺ですね…。

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92ページに「 |g'(u)|=0 となるような u の集合は \mathcal{M} の中で体積が 0 の集合である」とあるけど、これは、 |g'(u)|=0 となるような u の集合はパラメータ空間 W 上で体積が 0 になるという意味だね。体積というより確率といった方がわかりやすいかもしれない。

もう少しつづけたい