確率論セミナー(19): 参加メモ

Skype数学勉強会 確率論セミナー の参加メモ
読んでいる本: はじめての確率論 測度から確率へ : 佐藤 坦 : 本 : Amazon

今日読んだ範囲: 174~176ページ
記事タイトルのカッコ内の数字は、ウィキに合わせて休講もカウントした回数にしました。
以下雑多なメモ。

  • 収束列: 収束先の  x \in E がある。
  • コーシー列:  d(x_m, x_n) < \varepsilon \; \textrm{  for all } \; m, n \geq N(\varepsilon)
  • 収束列はコーシー列: 収束列だったら収束先の  x \in E があってその  \varepsilon/2 近傍に全部入る。
  • 完備距離空間: コーシー列が収束する距離空間  (E, d)
    • 実数  \mathbb{R} は完備。
    •  E が完備じゃなくても部分集合  A \subset E は完備になりえる。
      •  \emptyset はいつも完備。コーシー列がないから。
    • ( (0, 1], 普通の距離 ) は完備じゃない。0に近づくコーシー列が収束しないから。
      • なお、距離  d(x, y) を以下の赤線のようにすれば完備になる。0に近づくコーシー列がないから。
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  • 前回やった、数列と数列の間に距離をいれたやつは完備。
    (数列がずれはじめる最初のインデックス n を用いて 2^{-n} を距離とする。)
    • イメージ:
      • ある数列とある数列の距離が 1/2 未満だったら、1項目まで同じ。
      • ある数列とある数列の距離が 1/4 未満だったら、2項目まで同じ。
      • ある数列とある数列の距離が 2^(-N) 未満だったら、N項目まで同じ。
      • 数列のコーシー列があったら、数列の各項に極限がある。
    • 証明:
      •  s_{n, i}, \; n \in N が数列の空間  S^\infty のコーシー列であるとする。
      • コーシー列なので、 n_1 番目から互いの距離が  1/2 未満になる。→  n_1 番目以降1項目は同じ。
      • コーシー列なので、 n_2 番目から互いの距離が  1/4 未満になる。→  n_2 番目以降2項目まで同じ。
      • コーシー列なので、 n_k 番目から互いの距離が  2^{-k} 未満になる。→  n_k 番目以降  k 項目まで同じ。
      • この同じになっていく先を  s'_i とおく。これが  s_{n, i} の収束先であることを示す。
      • 収束することを示すので  \varepsilon をとる。
      •  2^{-k} < \varepsilon であるような  k をとる。
      •  s_{n, i} n_k 番目以降は  k 項目まで  s'_i と同じ。
      • k項目まで  s'_i と同じなのだったら、  s'_i との距離が  2^{-k} 未満。 \Rightarrow  \varepsilon 未満。
      •  s_{n, i} n_k 番目以降  s'_i との距離が  \varepsilon 未満なので、 s_{n, i} s'_i に収束する。