雑記: TeX Live 2021 もインストールしたい話

TeX Live は毎年 TeX Live 2019, TeX Live 2020, TeX Live 2021, … とバージョンが更新されるそうで、だから何なのかというと、年次が変わるともはやそれまで使用していた TeX Live をアップデートして使用することができなくなるようです。
なので、既に TeX Live があるときに隣に新しい TeX Live を入れるとどうなるか(コマンド実行はどうなるのか、ファイルの関連付けはどうなるのか、旧新の統合環境 TeXworks でのコンパイルでは何が参照されるのか)について中途半端にメモしました。TeX をスタートメニューの「TeX Live 20xx」→「TeXworks editor」から使用するような場合は全く意識する必要はない内容です。

  • ユーザ権限で C:\texlive\2021TeX Live 2021 をインストールするとユーザ環境変数の PATH の先頭に C:\texlive\2021\bin\win32 が追加される。よって、既に古い年の TeX Live を C:\texlive\2019 なりにインストールしてそちらにパスを通していた場合、コンソールで ptex2pdf コマンドなりを直接実行するとそれまでの版ではなく 2021 版がよび出されるようになる(ただし古い年の TeX Live へのパスがシステム環境変数に設定されていたらそちらが優先され続けるはずである)。
    • TeX Live 2021 のインストールを管理者権限で行った場合はシステム環境変数の先頭に C:\texlive\2021\bin\win32 が追加されるはずである。
  • 他方、 .tex ファイルを開く既定のプログラムに古い年の TeX Live に同梱されていた TeXworks(Ex. C:\texlive\2019\bin\win32\texworks.exe)を設定していた場合、ファイルの関連付けは勝手には 2021 同梱版には変更されないので適宜 2021 同梱版に変更する必要がある。
    • ただし、TeX Live 2021 のインストーラでインストールを実行する直前に「高度な設定」ダイアログを開けば「ファイルの関連付けを変更」という項目があったようなので、いかにもそこで変更することができたようにみえる。が、高度でない私は「高度な設定」を開かなかったのでわからない。
  • そもそも関連付けの変更云々の前に、古い年の TeX Live 同梱の TeXworks でコンパイルするのと 2021 版に同梱の TeXworks でコンパイルするのとで何が異なるのかだが、TeXworks の「編集」→「設定」→「タイプセット」→「TeXおよび関連プログラムのパス」をみるに、TeX Live 20xx に同梱の TeXworks はデフォルトで以下の優先順位で TeX および関連プログラムを探索しにいくようである(要ドキュメント確認)。なので、TeX Live 2021 をインストールしたからといって TeX Live 2019 以下の TeXworks が 2021 版のプログラムでコンパイルし出すということはない。ただし最新の環境変数の反映を通して 2021 以下も探索範囲に含まれるようになるので、仮に 2019 以下にないファイルを要求するような処理を実行したら 2021 以下が参照されるはずである。もっとも、「TeXおよび関連プログラムのパス」はユーザが編集できるし、ユーザが一度でも編集した場合それ以降最新の環境変数が反映されていくのかは私は編集していないので知らない(要ドキュメント確認)。