以下の論文を読みます。

この論文の内容は、拡張カルマンフィルタで株価を予測する?

株価が予測できるんですか? 夢がある話ですね!

何そのテンプレみたいな反応。

株式の真の価値と市場価格に乖離があるために、従来の分析では十分なパフォーマンスが出ないって問題提起してる。

市場価格とは別に株式の真の価値ってのがあるんですか? 市場で出回ってる価格が株式の価値そのものなんじゃないんですか?

株式の本来の価値を測る方法っていうと、企業が将来獲得するキャッシュフローを現在価値に割り引く方法とか、配当方針から逆算する方法とかあるけど、そういうのが絶対的に株式の真の価値ってわけでもないし、「株式の真の価値と市場価格の乖離があるために上手くいかない」っていうくだりは「何か真の価値というものがあると考えた方が上手くいく」と読み換えた方がいいんじゃないかな。というかそれでちゃんと上手くいったんだよね?

テクニカル分析とファンダメンタル分析の情報を拡張カルマンフィルタで融合することで、イランのある工業関連の会社の株価について、回帰やニューラルネットよりもよい短期予測ができたとアブストに書いてある。

テクニカル分析とファンダメンタル分析? 何かつかみどころがない言葉です。

この時点では株価を過去時系列に基づいて予測する手法をテクニカル分析といい、株式会社の持分であるところの株式の価値を業績予測を通して見積もる手法をファンダメンタル分析というイメージでいいと思う。大丈夫、何もつかみどころがないのは株価だけじゃない。トレーダーでなくたって、あらゆる人は明日どうなるか読めない人生を生きている。だから心配ない。

心配だよ!?


訓練データが足りないって理由になるんですか? 訓練データ足せばいいじゃないですか。

ここでの訓練データ不足は、訓練データが足りないために未知の状況に遭遇するといった意味みたいだから、確かに違和感があるかも。あと予測が困難な理由として、市場価格が理論モデルにしたがわないとも書いてる。理論モデルとは何だったのか。それでこの論文では拡張カルマンフィルタを用いて、非線形性への対応と、テクニカル指標とファンダメンタル指標の融合を実現したって。

そうそう絵理ちゃん、その拡張カルマンフィルタって?

この論文でも説明されているけど…ちゃんとした本を参照した方がよさそうだからとばす。

とばすの!?

111ページの Figure 2. が提案モデルの模式図だけど、本文を読み進めると、ファンダメンタル指標から配当割引モデルのゴードンモデルによって直接観測できない株価 を計算している。でも、テクニカル指標がどう入り込んでいるかがよくわからない。これだと、観測モデルをかませることそのものがテクニカル指標の融合だと言わんばかりのような。あ、違う。
というのが (28) 式で、これはこれでこういう風に株価を推測する方法? なんで2次関数?

テクニカル指標に詳しくないのでよくわかりません。