過去問メモ。カッコ内のサブタイトルは適当。
H27午前: CMA2次試験ノート(H27午前)
H27午後: CMA2次試験ノート(H27午後)
H26午前: CMA2次試験ノート(H26午前)
H26午後: CMA2次試験ノート(H26午後)
H25午前: CMA2次試験ノート(H25午前)
H25午後: CMA2次試験ノート(H25午後)
第1~3問(職業行為基準)
毎年恒例の職業行為基準。H27、H26に加えてあえてメモすると以下。
- プルーデント・マン・ルールとプルーデント・インベスター・ルール:
- 米国で取り入れられてきた注意義務の基準。
- prudent man : 分別のある人。
- 信託の受託者の投資対象が公債などに制約されていたのを、分別のある人が自分の財産を運用するようにもっと投資対象を広くしていいはずだ、と1830年に打ち出されたのがプルーデント・マン・ルール。→ 時期を経るにつれ、「名目元本の維持を最重視し、名目元本を毀損するおそれのある投機的な対象には投資すべきでない」という本来の意図ではない基準に変質していった。
- それをより適切に修正したのがプルーデント・インベスター・ルールで、「個々の投資対象ではなくポートフォリオでみるべき」「投資対象を絞るよりむしろリスク分散すべき」「インフレを考慮すれば名目元本ではなく実質元本の保全を重視すべき」というプルーデント・マン・ルールへの批判が反映されており、一般的なポートフォリオ理論にしたがった運用は適法と認められる。
- インサイダーから未公開の重要な情報を入手し、レポートが書きづらくなってしまったらどうする?
- 公開してもらうようはたらきかける。
職業行為基準 8(3) に思い切り明記されている。「ハンドブックの内容を覚えていない」とならずにちゃんと読もう。というより、「職業行為基準本文に思い切り解答があるけどそれでいいの?」という問題も出題される可能性があることに注意。
- 公開してもらうようはたらきかける。
- ケース問題で、投資信託を推奨している場合は、元本を割り込む可能性をちゃんと伝えているかにも注意。
- 第2問で、「手数料がかかるがキャピタルゲインがあれば大丈夫」という物言い、「3(2) 事実と意見を区別すること」だと思ったけど、解答例は「3(4) 投資成果を保証する表現をしないこと」となっているけど、どっちでもいいのかな。確かに西田さんの意見として「キャピタルゲインがあれば大丈夫」と言っているかどうかはわからない。西田さん自信が大丈夫と考えていないのに大丈夫と言っていたらなおのこと悪質だけど。
- 第2問の西田さん、全体的に顧客の石山さんの利益より自分の営業成績を優先しているので、忠実義務違反にもみえる。
- 第3問の鈴木さん、佐藤さんと親しいことから佐藤さんのファンドに甘い評価をしているようにみえるので、「9(3) 分析業務を委託してきた人との関係によって公正な判断が阻害されないようにし、独立性と客観性を保持すること」の違反にもみえる。
第4問(財務諸表の読解)
午前試験にお馴染みの財務諸表読解問題。
午後にも財務諸表問題は出るが、午前の方が財務諸表が格段に細かく、数表から読み取ることがたぶん多い。部門別の分析、国内外別の分析、業界シェアの分析がたぶん絡む。午後は極めて簡略化した財務諸表で、コーポレートガバナンスや企業価値とのアラカルト問題になっている。たぶん。
- 間接税負担率たっか!税率の高い非食品の嗜好品、タバコか。→ 販売数量の単位が本だからそうっぽいね。
- A社はY社を買収する資金をどのように調達したか:
- Y社を22,500億円で買収したとあるけど、うち6,000億円はY社の純有利子負債なので、結局Y社買収のために調達したのは16,550億円のはず。2008年度に負債は11,700億円増えているけど、これにもY社の純有利子負債6,000億円を含むので、有利子負債による調達額は5,700億円。残りの約10,000億円はどこからきたのか考えると、「現金及び現金同等物」の増減がそれに一致する。
- デット・エクイティ・レシオ: 負債比率のかっこいい言い方。
- IFRS適用前後のP/L:
IFRS適用前 | IFRS適用後 | ||
---|---|---|---|
売上高 | 66,219 | 売上収益 | 25,471(税抜売上高へ変更) |
A 営業利益 | 3,747 | A 営業利益 | 4,590(のれん償却を差し戻し、 その他営業外収益と特別損益を加味) |
B 営業外収益 | -120 | B 営業外収益 | -165 |
金融収益 | 64 | 金融収益 | 64 |
金融費用 | 229 | 金融費用 | 229 |
その他収益 | 45 | ✖ | ✖ |
A+B 経常利益 | 3,627 | ✖ | ✖ |
C 特別損益 | -177 | ✖ | ✖ |
A+B+C 税引前利益 | 3,450 | A+B 税引前利益 | 4,425 |
法人税 | 1,105 | 法人税 | 1,105 |
当期純利益 | 2,345 | 当期利益 | 3,320 |
- のれんの帳簿価額は:
- X社ののれんは2000年度~2011年度の12期償却済なので、未償却分は1800億円。
- Y社ののれんは2008年度~2011年度の4期償却済なので、未償却分は12000億円。
- のれんが減損していないとすれば、のれんの帳簿価額は13800億円。
- IFRS適用後ののれんの評価方法は、毎期減損を確認し、減損を認識したとき(回収可能額<帳簿価額となったとき)に回収可能額まで減損処理を行う。
- A社がIFRSの早期適用に踏み切った理由を推測:
- A社がY社を買収したときの買収額について:
- A社の海外嗜好品事業の時価評価: 企業価値EBITDA比率の同業他社平均11.63を適用すると、
- EBITDA=1853+1273=3126 より、事業価値=3126×11.63=36355。
- これはX社、Y社の買収額の合計を上回っており、事業価値の観点からは買収は成功しているといえる。
第5問(企業価値と自社株買い)
第6問(債券ポートフォリオ戦略)
第7問(株式ポートフォリオ戦略)
- CMA試験の解答例にしばしば「t値が1.1と小さいので有意ではなく」という言い方があって違和感があるんだけど(当然、有意水準による)、テキストの「重回帰分析」箇所をみると(数学・統計の範囲は今更なので読んでいなかった)「有意水準5%なら、t値が2を上回るかどうかが目安」とあるので、その値がスタンダードになっているんだろう。
- ヘッジファンド・インデックスのリターンに存在するバイアス:
生き残りバイアス | 消滅したファンドは除外される(ヘッジファンドのユニバースの過大評価 につながる)。 |
---|---|
遡及バイアス | 新規組入れファンドのリターンを遡及的に算入する。 あるいは対象期間で収益率が高いファンドのデータのみ提供される。 |
自己選択バイアス | 自己都合(Ex. 新規顧客開拓の必要性がなくなった)で運用成績を開示しない ファンドが存在する。→ 公開停止後にも成績が良好であれば下方バイアス、 悪化していれば上方バイアスにつながる。 |
残存者バイアス | いま生き残っているポートフォリオのユニバースは優秀になる。 (運用期間を長く取るほど、優秀な子たちの比較になる。) |
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分類のバイアス | 評価対象ファンドへの特徴付けが大雑把すぎて、比較用にもってきた 「同じ特徴の」ファンドが適切な比較対象になっていない (同一条件での比較になっていない)。 |
サンプルのバイアス | サンプル数を増やそうとして、似たようなファンドの複数カウントになる。 |
第8問(アセット・アロケーション)
第9問(グローバル・インバランス)
午前の経済分野からの出題、年によって毛色の違いがすごい。
- グローバル・インバランス - Wikipedia
- 1980年代の経常収支不均衡は、米国と日本との貿易摩擦が主だった。
- 1990年代の経常収支不均衡は、金融のグローバル化が進み、新興市場経済国の経常収支黒字が拡大した(中国、アジア)。また、天然資源価格の上昇に伴い、資源輸出国でも経常収支黒字が拡大した(産油国)。
- 巨大な経常収支黒字を引き起こす仮説として、過剰貯蓄仮説がある。
- (貯蓄)-(投資)=(経常収支)≡(貯蓄投資バランス)
- 解答例、「経常収支黒字は、経常収支赤字国の資金調達の助けとなる」は「妨げとなる」の誤植と思われる。
- サブプライム・ローン証券化商品への投資額が少なかった日本のGDPもリーマンショックで縮小した理由:
- ユーロ圏に経常収支黒字国(ドイツ、オランダ)も経常収支赤字国(ギリシャ、スペイン)もある理由と課題: